今日から劇場版『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 』が公開される。
劇場版公開にあたり、シリーズ1作目から3作目が再放送されていた。
このドラマの登場人物を取り巻く環境といえば、藍沢(山下智久)には、両親がいない。
彼は祖母に育てられ、その祖母も認知症で彼が分からない時も多い。
白石(新垣結衣)は、安全確認を怠ったために、自分をかばった指導医が大けがを負う。
藤川(浅利陽介)は、落ちこぼれで指導医に叱責されてばかり、なかなか念願のヘリに乗れない。
冴島(比嘉愛未)は、自分を唯一認めてくれていた恋人を病気で亡くす。
緋山(戸田恵梨香)は、人一倍、情に厚く、遺族を傷つけたくないという気持ちからの行為が、
医療過誤で訴訟問題にまで発展する。
そのうえ、緊急搬送される患者たちの一刻を争う病状、彼らが向き合う現実はいつも過酷。
私にとって、印象深かった場面のひとつ、
それは「なんて声をかけたらいいんですかね、本当に悲しんでるやつに」と聞く藤川に、
ヘリのパイロット(寺島進)が「声なんて必要ねぇよ ただ、そばにいてやればいいんだ」他、
奥さんとの馴れ初めを話す。
それを聞いた藤川は、恋人を亡くした冴島に
「…ひきづっていいんだよ。…無理に忘れる必要はない。
その間、俺に出来ることがあれば フォローするから」という。
すると冴島は、病院が対応に困っている女性(事故で娘を亡くしたことを受け止められず、毎日、「娘の病室はどこですか?」と 一か月、訪ね続ける母)に事実を伝え、「…また来てください。何度でも、何十回でも娘さんの病室にご案内します」と、その母の悲しみに寄り添う。
私は惹かれる。
悲哀を共に抱える覚悟、引き継がれていく傷ついた人を優しさのヴェールで包んで守るバトン、
そこからは、人としての強さと温もりが伝わる、こういうところに。
人は優しくされると優しくなれる。誰かがいると勇気がわく。
大事なのは「そこにいる」こと
見渡して、誰もいなければ、見つけ出す、
それでも見つからないなら、手繰り寄せればいい。
たとえ、遠く離れていても、こころはグッと深いところでつながっている人がいるかもしれない。
もし、漆黒の海の中、荒波にのまれたり ひとりでぽつんと漂っている
そんな心境に陥った時は
思い出して欲しい、「そこにいる」人を探すことを。
心がけて欲しい、誰かの「そこにいる」人になることを。
そういう人に私もなれるといいなぁ。