今日、4月26日は、4(よい)2(ふ)6(ろ)=「良い風呂の日」なのだそうです。
新年度も一ヵ月近く経ち、疲れも溜まってきていることでしょう。今日は、ゆっくりとお風呂にでも入ったらどうでしょう。
ところで、君達が古典で勉強している平安時代のお風呂事情は、どうだったのでしょうか。
当時、大量のお湯をたくのもひと苦労でしたから、基本的には蒸し風呂といったものが主流となっていました。現代でいうところのサウナですが、これならば大量のお湯を使わなくてもたくさんの人が入ることができたので経済的かつ合理的だったのです。ちなみに、入浴中は尻の下に布を敷きますが、この布が「風呂敷」の語源となっています。
入浴後は身体をお湯で流し、身体を手拭いで拭いていたとされますが、基本的には、貴族たちはほとんどそれにも入ることがなかったとされています。その主な理由として、当時の貴族たちの生活のほとんどが占いによる吉兆によって決められていたからです。お風呂に関しても縁起が良いとされる日でなければ入らなかったのです。もしも悪い日取りに入浴などしようものならば、洗った部分から悪霊や邪気が入ってしまい体調を崩したり命の危険性があると考えられていました。また、庶民が行っていたような体に水をかけるといった行動も、基本的には神仏への祈りをささげるための清めとして以外は行われることがありませんでした。
お風呂にほとんど入ることがない貴族たちは、結果として非常に体臭が強く、不潔であったと言われています。今でこそ入浴が大好きな日本人ですが、平安時代の特に貴族には湯船につかるという習慣がなかったと言われています。そのため貴族の身体周りはいつも「不衛生」だったと考えられており、特に女性はたくさんの着物を着込んでいるため、身体が垢まみれであり、白い粉(垢)が衣類に付着することもあったそうです。ちなみに当時お香が文化として根付いていた背景には、不衛生からくる体臭をごまかす目的もあったのだとか。
どうですか。お風呂に入りたくなってきたのではないでしょうか。
今日は、ゆっくりとお風呂に入って明日からの英気を養って下さい。