たぐり寄せる思い出

今日は中学3年生の修了式と中学1,2年生の終業式が行われました。

ご卒業、進級の皆さん、おめでとうございます。

春は出会いと別れの季節とよく言われますが、私は春になると、陽気に誘われて自転車で街を走る機会が増えます。そんな時、春風を感じながら自転車のペダルを踏んでいると、どこからともなく沈丁花(じんちょうげ)の香りがしてきます。「あっ、この感じどこかで・・・春だなあ~」と。一年間の仕事をふりかえり、生徒たちとのいろいろな場面も浮かび、一年を終えた少しの安堵とまた新たに出会うであろう生徒たちとの生活への期待と不安!?それらは、ほぼ毎年春に繰り返されてきています。

しかし、実はこの春が巡りくることが当然ではなく、自然の摂理の中で、自然の気まぐれに翻弄されつつ、それでも春夏秋冬の四季を与えられている日本の気候に感謝したい気持ちになるのも、この春の陽気だと思う日々でもあります。

(花粉症の方にとって、この陽気は「またこの季節が…」という気持ちになるとのことですので、あまりいい思い出がないかもしれません、ごめんなさい)

みなさんもそれぞれ、この曲を聞くと思い出す出来事がある、この風景はあの嬉しいあるいは悲しい出来事が浮かぶ…など、それぞれ歩んできた道に思い出を残してきているでしょう。

私は、そのような思い出をたぐり寄せる瞬間の大事さを年を追うごとに強く感じるようになり、「歳を取ったからかなあ」と思うのですが、一方で、嬉しいこと、悲しいこと、腹立たしいこと等が入り混じる中で、たぐり寄せる思い出を持つことが出来ていることの幸せを感じ、感謝したいと思うようになっています。

「当然」と思われる日々が繰り返し訪れてくれることに感謝し、これからもたぐり寄せることのできる思い出を刻んでいきたいと思う春の一日。

生徒のみなさんはこれからです。喜怒哀楽入り混じった思い出をたくさん抱えた豊かな人生を…。