SGHアソシエイト指定!   大村 寛之

今年度初の百人一筆です。今回、私の方からぜひともご報告させていただきたいと思っていたのは、和歌山信愛が「SGHアソシエイト」校に指定されたということです。

「SGH」とは文部科学省が行う「スーパーグローバルハイスクール」事業の略称で、将来国際的に活躍することのできる人材を育成する教育を通して、社会課題に対する関心と深い教養、コミュニケーション能力、課題解決力を養成する高等学校のことです。少し分かりにくいですが、簡単に言うと、今までの学校教育の中に社会と関わりを持ちながら、色々な体験をさせましょうというのが趣旨ということになるでしょうか。
昨年度、「生徒の主体的な学びの範囲を広げたい」という思いから、高校1年生で和歌山市役所と連携した「まちなか再生計画with信愛生」やキクロン株式会社と連携した台所スポンジ新商品開発「シンクロン☆プロジェクト」などの活動を行いましたが、「SGH」の教育活動はその思いの延長線上にあると考え、今回文部科学省に申請したという訳です。全国190校の申請校の中で、残念ながら今回は「スーパーグローバルハイスクール」としての指定を受けることはできませんでしたが、準指定校である「SGHアソシエイト」校として和歌山県内の私立学校で唯一!!指定を受けることができました。

ちなみに、文部科学省で行われた公募説明会にはおそらく全国で400校以上が参加していたと思います。でも、実際の申請したのは190校、申請書のハードルの高さで半分が尻込みしてしまったようです。日々の業務の中でA4で40枚近くにも及ぶ申請書一式を準備するのは本当に大変でした(汗)

さて、話を元に戻しますが、昨年度の取り組みを通して、中高時代に「社会問題に積極的に関心を持つこと」、「正解のない課題を解決しようとチャレンジすること」はとても大切なことだと感じています。生徒たちを待ち受けるこれからの社会は本当に混沌としています。かつてのようにモノを作れば飛ぶように売れるという時代ではありませんし、一流と呼ばれる企業にさえ就職することができれば一生が約束されるというわけでもありません。どのように生きていくかが本当に難しい世の中で「自分らしく、豊かな人生」をどのように構築していくのかという意識を育てる機会を数多く提供できることは、学校として誇りであり、非常にやりがいのある試みです。
また、現在高大接続の改革が叫ばれ、現中学1年生からは新制度のもとで大学入試が行われます。その制度とは、「画一的な一斉試験で選抜する」という現行の「公正」の概念が覆され、「一人ひとりの多様な努力を評価する」という形の「公正」に転換することが確実です。その部分においても、「日々の学習における努力」という柱とともに、「SGHプログラムにおける多様な体験」というもう一つの柱を生徒たちに提供することができることも大きなメリットだと考えています。

5月からは「地域課題」「女性の社会進出」などをテーマとした和歌山信愛SGH教育プログラムが動き始めます。様々な方々の協力の上で成り立つ企画。その方々の思いを無駄にすることなく、生徒に豊かな経験を提供できるように教員が一丸となって頑張っていきますので、ご期待下さい。