近頃、朝の朝礼で聖歌306番を歌うことが多くなってきました。
聖歌306番は「大波のように」という歌で、わが信愛では卒業式でこれを歌います。
漕ぎ出せ漕ぎ出せ世の海原へ
飛び立て飛び立てこの広い空へ
信愛を卒業していく生徒たちへの、在校生や教員からの最後のエールのようにも、大きな世界への一歩を踏み出す卒業生たちの決意のようにも聞こえます。
卒業式で歌う聖歌がもう一つ。高3生が歌う、聖歌503番「卒業の歌」
世は荒海の浮き沈み 行くては遠し道遥か
日頃の教え身にしめて いざや進まん雄々しく雄々しく
これこそ卒業生の決意でしょうか。信愛での生活を思えばどんな荒波にも耐えることができる!とは昨年度の卒業生の言葉。
実はこの「卒業の歌」、古文の勉強にも役立ちます。
思えば懐かしその高き学舎 あゝわれ忘れめや
「めや」とは、推量の助動詞「む」の已然形と、反語の係り助詞「や」が組み合わさったもので、古文ではよく「~だろうか、いや~ない」と反語の形で現代語訳されます。「やは」「かは」と「めや」「めやも」を反語で現代語訳する。覚えておくと役に立ちますよ。
もう一つだけ聖歌の話。
聖歌405番「野ばらのにおう」は高校二年生が修学旅行で訪れる、聖地・ルルドでのベルナデッタと聖母マリアとの邂逅が歌われています。
私はルルドへ行ったことはないのですが、ヘンリー・キング監督の『聖処女』という映画を見てから405番を歌うと、映画のシーンが鮮明によみがえってくるようになりました。実際にルルドを見た生徒たちは、405番を歌う時、何を思うのでしょうか。
最後に、また別の聖歌を。
これから社会に出て行く高3生、熾烈な戦いに身を投じる高2生以下の生徒に向けて。
忘れないで悲しみの夜は希望の明日に変わることを (聖歌308番「忘れないで」)