吉田 晋

本日はさわやかな秋晴れとなりましたが、9月といえば台風シーズンです。
先週は台風(および温帯低気圧)と秋雨前線の影響で大変でしたね。皆さんのご家族やご自宅は大丈夫でしたか?
台風はときに大きな被害をもたらす天災ではありますが、同時に空の水道局などとも呼ばれ、乾いた大地に恵の雨を降らせる貴重な自然現象でもあります。他方、我々物理を教える教員としては話題の宝庫です。

台風は上空から見ると必ず反時計回りに渦を巻いており、これはコリオリ力という見かけの力の影響であることはよく知られていることです。コリオリ力そのものは高校物理では登場しませんが、慣性力や遠心力と並ぶ代表的な見かけの力であることから、授業で言及することもあります。コリオリ力の話が少し難しいと感じられる学年には、台風の話から気圧、上昇気流、密度などと絡めて話を広げることもできます。このような季節に関係した話題を提供してくれるのが物理教員にとっての台風です。

最後に、先週水曜日の大荒れの天気が去った直後に見られた、きれいな虹の写真を添付しておきます。空一面にみごとな虹のアーチが見えたのですが、そのうちの一部でご覧のように虹が幾層にも(画面右側に5重くらいには見えるでしょうか。左側にもありますね)重なる現象が見られました。虹もまた物理の授業では話を広げられる現象ですが、長くなりましたので今回はこの辺で筆をおきたいと思います。