12月20日(日)東京のアサヒビール本社にて「若武者育成塾最終発表会」が行われました。
これまでもこのページで報告してきましたが、本学のSGHアソシエイトプログラムの影響を受け、主体的に「若武者育成塾」に応募し、選ばれたメンバー3名が8月の合宿をきっかけに4ヶ月間環境を守る活動を行い、その活動報告を行う会です。
全7校のうち6番目が本学の発表でしたが、発表を聞いていて、これまでの色々な活動が次々と思い出されました。
最初は、全国の多くの応募の中からたった7校のうちの一つとして選ばれたものの、他の学校の多くはすでに環境保護活動を学校レベルで実施しており、「どうして信愛が選ばれたの!?」という場違い感いっぱいのスタート。それにも関わらず、合宿では他の高校生に触発され、「本当にできるの!?」という大風呂敷を広げる始末。
しかし、カンボジアで奉仕活動を行うSr橋本の講演をきっかけに、これから豊かになっていく国々に「環境に配慮した開発を行ってほしい」というメッセージを届けたいという思いをこらえることができず、言語を越えることのできる動画という手段を見つけ、環境系の動画作成のプロに本格的な動画作成を依頼することからスタート。
予想以上のお金が必要と分かるとクラウドファンディングへのチャレンジ、私も色々な方からの共感を得るべくずいぶんこき使われました(笑)
同時に動画の軸に据え、先日世界農業遺産にも指定された、環境保全と暮らしの豊かさを両立させた永続可能な農業システムである「梅システム」の現地調査。
動画の作成では英語でのナレーションにチャレンジ。自分たちで英文を考え、アレン先生から発音の特訓を受け、見事ナレーション吹き込みにも成功しました。
「さらに啓発だけで終わってしまっては…」というアドバイスを受けて、まずカンボジアに「梅システム」に変わる農業システムを提案すべく、東農工の先生にいきなり助言を求め、その上でカンボジア版「梅システム」の提案…
大言壮語と思った当初の予定以上のことをやり遂げたと思います。
審査結果はパートナーシップ賞(様々な団体、機関を巻き込み、協働関係を構築することができた)を受賞。優秀賞はいただけませんでしたが、もし「のびしろ賞」があったら、全くのゼロからここまでのことをやってきた信愛チームが受賞したのではないかと思います。
審査員の先生からは「カンボジアにすでに永続可能な農業システムは存在してるんじゃないの?」「具体的にそのシステムをカンボジアにどう普及させるの?」となかなか厳しいご指摘がありましたが、現地にも行ったことがない現状、かつ4ヶ月の期間ではさすがにそこまで無理です(泣)
そんな彼女たちも明後日からカンボジアに研修旅行に行きます。彼女たちにとっては物見遊山の旅ではなく、カンボジアの風土を体験し、現地の方の考えを知り、自分たちの思いを伝え、後輩にこの続きを託していくというさらなるスタートラインでもあります。またまた貴重な体験を積み重ねることになりそうです。
長々と書きましたが、SGHアソシエイトプログラムから派生した今回の企画。私にとっては、実は「環境」がテーマでなくてもよかったのです。本気の大人と関わり、高校生の間にスペシャルな経験をすることが、明確な将来像の設定につながっていくという姿を見てみたかったのです。3人の生徒はそれぞれが始める前より明確な将来像を描いています。次はその夢を叶えるために主体的な学習を行ってくれるだろうと思います。
今の信愛にはこんな姿がちらほらと見られるようになってきました。
みんなが色々な取り組みに参加したら、我々教員は大変で仕方ないですが、我々教員も同時に様々な方と関わり、その過程で成長させてもらっているなと感じられるます。ですから、悪いことではないですね。
表彰式後の充実した笑顔です。