べらぼう  中めぐみ

2025年も気付けば残すところあと2週間ほどとなりました。

とりだめしていた大河ドラマを期末試験後に一気見していたら、気づいたら最終回を迎えてしまい、年の瀬であることに気づき焦り始めた今日この頃です。

今年の大河ドラマ「べらぼう」。大河ドラマとしては珍しく合戦シーンがない、18世紀の江戸時代の文化をテーマとしたドラマで、ドラマやアニメなどの戦闘ものが苦手な社会科教員の私としてはとても楽しみにしていました。

主人公は横浜流星さん演じる、江戸のメディア王・蔦屋重三郎。彼の人生を追いながら、喜多川歌麿や東洲斎写楽などを始めとする江戸の文化と井伊直弼・松平定信の政治を描くドラマでした。

視聴率としては、残念ながら歴代大河の中であまり振るわなかったようですが、個人的にはなかなかドラマや小説の舞台とならない時代が描かれていくことがとても面白く、1年を通して興味深く見ており、最終回、蔦重が亡くなるシーンは涙なしには見れませんでした。

「べらぼう」1年間を通して、私が心打たれたのはどんな局面に対しても「こんな世の中だからこそ、面白がる」という蔦重の生き様です。

大切な仲間の死に際しても、閉塞感漂う世の中の風潮に対しても、面白おかしく生き抜く。世の中を明るくするユーモアにかえ、商いに繋げる。彼自身は権力ある政治家ではありませんが、そうした彼の働きが周囲を動かし、社会を動かし、政治を動かしていく。そうした商人・文化人としての生き方がとてもかっこよく感じました。

なかなか上向きにならない経済状況、物価高、加速する少子高齢化etc…明るいニュースも沢山ありますが、なんとなく社会全体に閉塞感が漂うような気がするこの頃。どんな逆境があっても「面白がって」生きていく。そうした姿勢を見習って新年を生きていきたいなと思う年の瀬でした。皆さんも良い年の瀬をお過ごしください。