幻の香り かたひら

まだまだ暑いですね。みなさんも体調にはお気をつけください。

夏休み中、大阪歴史博物館で行われていた「正倉院THE SHOW」という展覧会に行ってきました。正倉院の宝物の再現模造や、スキャンされた宝物の3Dデジタルデータなどが展示されていました。毎年秋に行われる正倉院展を楽しみにしている私としては、ぜひとも行っておかなくては!ということで暑い中行ってきました。どれも素晴らしい展示でしたが、今回の目玉は「蘭奢待(らんじゃたい)」の香りの再現展示です。

蘭奢待とは、中がほぼ空洞になっている長さ156cmの香木です。天下第一の名香といわれ、織田信長などかつての権力者たちがその香りを求めて切りとってきました。現代では切りとることができないので、長さ数ミリの脱落片を使って香りを再現しています。会場では、再現した香料が入ったガラスが置かれており、私も実際に蘭奢待の香りを嗅ぐことができました。甘いシナモンのような雰囲気がありつつ、スパイシーさも感じられるとても複雑な香りでした。この香りを織田信長も嗅いだのだと思うとなんだかロマンがあります。

この蘭奢待(本物)がなんと、今年の正倉院展に出るのです!香りを思い出しながら本物を見ることが今から楽しみです。香りを嗅ぐことはできませんが、本物の蘭奢待に興味がある方は、ぜひ今年の正倉院展に行ってみてください。

ちなみに、「蘭奢待」という文字の中には「東大寺」という文字が隠れています。みなさん分かりましたか?