前回も百人一筆の当番が回ってきたとき、「ドールハウス」という映画を見てきたばかりだったのでその話をしましたが、今回も3日前に「フロントライン」という映画を見てきたばかりなので、その話をしたいと思います。
みなさんも記憶にあると思いますが、この映画は2020年2月に横浜港に入港した豪華客船ダイアモンド・プリンセス号の船内で発生した新型コロナウイルスの集団感染をテーマにしています。DMATと呼ばれる災害派遣医療チームがその対応にあたったのですが、彼らは災害時医療のプロではあるものの、未知のウイルスに対応するだけの訓練経験を持っておらず、厚労省とともにその場その場で考え得る最善の策を講じて、実行していくというストーリーでした。
2020年2月、私は高校3年生の担任をしていて、国公立大学の前期試験を控えており、受験上の注意がどのように変更されるか予想できず、毎日各大学のホームページで確認していたことを記憶しています。そのくらい誰もが「どう対応するのが正解なのか」を模索していた時期でした。前期試験が無事に終わり、いよいよ3月1日の卒業式をむかえるというタイミングで3月からの一斉休校が決定し、卒業式も1日前倒しになり、「密を避ける」ために、卒業生の保護者の方にも出席していただくことができない卒業式となりました。
そしてその後も休校期間は続き、私は中学1年生の担任となり、4月に新入生を迎えることになりましたが、入学式の翌日以降も休校期間は続き、6月までは週に1度の登校日のみで、クラスの生徒の顔と名前を満足に覚えられないような状況でした。6月以降は週に2度の授業が始まり、やがて通常授業に復帰していきました。しかし、「毎朝の検温」「マスクの着用」「手指の消毒」「黙食」など学校生活に新たなルールがたくさん加えられるようになり、仕方ないこととはいえ、不自由な思いをさせているな、といつも思っていました。
そしてその新入生たちは今、高校3年生になっています。本当に大変な時期を創意工夫とバイタリティで乗り越えてくれた彼女たちなので、これからはじまる受験も、自自信をもって、タフに乗り越えてくれるはずだと信じています。
映画のワンシーンに「これから日本は大変なことになる」というニュアンスの台詞があり、「コロナ禍」のことが一気に思い出されました。それとともに、未知のウイルスに対応してくださった医療関係者を含むすべての人々に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
まもなく公開が終了するので、少しでも興味をもった人はぜひ映画館に見に行ってほしいと思います。