受験生にむけて    中めぐみ

明日はいよいよ共通テストですね。今年の冬はなかなか寒くならないなぁと思っていたのに、共通テスト前になると例年同様しっかり寒くなってしまいました。今のところ週末の天気予報によると、朝は雨や雪の心配はないようで、とりあえずほっとしています。

「満足な豚であるより、不満足な人間である方が良い。満足な愚者であるより、不満足なソクラテスである方が良い。」

倫理の教科書にも出てくる、イギリスの功利主義の哲学者J.S.ミルの言葉です。

功利主義とは、行為の善悪は、その行為の結果が行為者や周りの人に功利(良い結果、幸福や快楽)をもたらすか、で決定されるという思想です。

幸福や快楽にも様々なものがあります。例えば、好きなものを沢山食べて幸せ、休日にたくさん寝れて幸せ…のような肉体的・即物的なものや、今まで分からなかった問題が解けたときの爽快感、努力して大会で優勝したときの達成感のような精神的・知性的なものなどがあります。

ミルは功利には質的な差があり、肉体的快楽より精神的快楽の方が質が高く、より質の高い快楽を求めなさいと説きました。

高校3年生の皆さんは、きっとこの1年間、「ゆっくり寝たい!遊びたい!」などという肉体的・即物的快楽と戦い、自分の進路、その先の夢や目標の実現という精神的・知性的快楽のために努力を続ける「不満足な人間、ソクラテス」としての日々だったのではないでしょうか。

これを昔の偉い哲学者がわざわざ唱えて教科書に載るということは、それだけ実践するのは難しいのです。本当に本当によく頑張りました!頑張ってきた自分に自信をもって、明日からの受験に臨んでください。自信がない…という人はこの3年間信愛でやってきた小テストと宿題の量を思い出してください。あんなに高校1年生の間から小テストと宿題を頑張ってきた高校生はなかなかいません。何度も上記の葛藤を繰り返しながら、頑張ってきたことでしょう。私も信愛の卒業生ですが、センター試験(かつての共通テスト)の前日、ボロボロになった参考書と積み上げた小テストやプリントを見て、こんなにしたから大丈夫、と自分に言い聞かせました。

この1年の経験が皆さんを人間として大きく成長させたと確信するとともに、「努力が実り志望の大学に合格する」という今の皆さんにとって最高の功利を手に入れられることを心から祈っています。

なんだか堅苦しいようなことを書いてしまいましたが、教職員一同、受験生の皆さんを応援しています!頑張れ受験生!!