書くことがねえ。ee-my-zoo-me

だいたい仕事が一番キツいときに回ってくるこの百人一筆の当番である。そして私はどんなときも巡ってきた仕事はきっちりやるのである。

でも、書くことがねえ。

そこで最近授業で話したり話さなかったりしたちょっとした話を、ここで成仏させておくことにする。

* * *

スポーツテストをやっている声がグラウンドから聞こえてくると思い出すのは、自分が高校生のときのスポーツテストのことである。

陸上部の生徒がタイムを計ってくれるのだが、なんとも杜撰なタイム管理で、実際のタイムと違う結果がでることがよくあった。私は1年生のときに、走り終わった後、「5.2秒ですか」と言われた。「そんなわけないでしょ」と私は答え、再走することになった。私の脚は決して遅すぎるわけではないが、速い方でもない。なんとも面白みのない平均的な脚力である。結局タイムはいかにも平均的な7秒台であったと記憶している。

しかしそれ以降、私のことを「あいつ5.2秒らしいぞ」などと校内で言いふらす不届き者が続出した。そして翌年のスポーツテストの短距離走のとき、学年中の男子が私が走るのをニヤつきながら見物に来るなどという事態に発展した。これはまったく、許しがたい事態であった。そのとき私は、脚力でも怪力でもなく、知性において、高みの見物を決め込んだ有象無象よりも抜きん出た存在になることを堅く誓ったのである。

だいたい50メートルを5.2秒で走れる人類など存在しない。100メートル走と200メートル走の世界記録をもっているウサイン・ボルトの50メートルのタイムは5.47秒である。