If you want to go…  十河 秀彰

1年前、2021年10月8日。第100代の首相に就任した岸田文雄氏の衆参両院の本会議で初めての所信表明演説。
演説の終盤、「そして、最後になりますが…」と切り出し、アフリカのあることわざを引用した。
『早く行きたければ1人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め』
「私たちは、経済的格差、地域的格差などがもたらす分断を乗り越え、コロナとの闘いの先に、新しい時代を切り拓いていかなければなりません。」
そして、こう続ける。「1人であれば、目的地に早く着くことができるかもしれません。しかし、仲間とならばもっと遠く、はるかに遠くまで行くことができます。」
確かに、速さを求め一人で進むことを選ぶなら、遠くをめざして共に進む仲間と疎遠になり、つまずき倒れたとき、周りには誰もいないことだろう。誰かがいれば、お互い助け合い、いたわりあって、思いもよらないところまで行けるかもしれない。
子供たちは、コロナで休校を余儀なくされ、切磋琢磨する機会が奪わた苦しい状況の中でも、それぞれの学級、学年そして学校全体の仲間とともに、たくましく、しなやかに成長し続けている。性格や、興味・関心、得意・不得手の多様な個性を持つ子供たちが、みんなで学ぶ意義をこのことわざの中に感じる。

If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.