5月に入って更新が滞っており、申し訳ありません。
さて、本日は高校3年生がマーク模試を受けております。マーク模試というのは、センター試験対策であり、マークシートに答えを記入する模擬試験のことです。8か月後に控えたセンター試験で実際に受験する教科を受けるので、非常に緊張感があります。時間割も普段と変更になり、普段の授業中に休み時間があったり、休み時間中も試験を受けていたりします。私も3時間目に監督をしておりましたが、3時間目の途中で公民の試験が終わり、理科1の試験が始まりました。この間の休み時間中にふと目に留まったのが般若心経です。
カトリックの学校なのに般若心経とはなぜ?とお思いでしょう。実は、リスニングで使用するCDラジカセにほこりがかぶらないようにするために、タオルなどをかけるクラスが多いのですが、私が監督したクラスではなぜか般若心経の手ぬぐいがかけてありました。あまりの渋さに興味を持った次第です。
では、般若心経、正式には仏説摩訶般若波羅蜜多心経ですが、どのようなお経なのでしょうか。底本によって違いはありますが、だいたい270文字程度の経典であり、お経としてもそれほど長いものではありません。文字数でいえば、信愛のお祈りより短いかもしれません。和歌山では真言宗の方も多いですが、真言宗の方は仏事などで唱えるので、馴染みがあるかもしれませんね。
ところで、みなさんはこの般若心経の訳者(原典はインドのお経『プラジュニャーパーラミター・フリダヤ』)をご存知ですか。実は日本人にとっても非常によく知られている人物なのです。それは、唐代にインドまで旅をした三蔵法師(玄奘)です。『西遊記』の三蔵法師のモデルになった人物としても知られていますね。『西遊記』の物語のなかでは、三蔵法師が翻訳したのではなく、烏巣禅師に授かった、という設定になっています。ちなみに1978年から日本テレビ系列で放送されたドラマ版『西遊記』では、夏目雅子が三蔵法師を、ハナ肇が烏巣禅師を演じています(堺正章が孫悟空を演じている)。
とりとめのない話になってしまいましたが、仏教もキリスト教も人間の生き方を説いています。般若心経に触れていただくのもいいでしょうし、聖書に触れていただくのもいいでしょう。何百年、何千年もつづいている宗教は、当然多くの真理を包含しているはずです。自分の進路や現在の状況、生き方等に迷ったとき、悩んだときには、みなさんも、何かお手にとってみてはいかがでしょうか。