急に上手くなる               田福克裕

2年連続で、中学1学年の担任に就いております。中1生は、4月の入学式から、紀北青年の家での2泊3日の研修会。新入生の歓迎の「わかば祭」。少しホッと出来た、GWを過ごし、初めての中間テストを終えました。まさに内容満載の2か月でした。

中間テスト前から、各教科の小テストも定期的に実施されています。計算は得意だけど、漢字は苦手。漢字は覚えられるんだけど英単語が…などなど。みんな得意不得意があるようです。

私はよくスポーツに例えて話をします。
バスケットのシュートの練習をします。一生懸命投げても連続して入らない。慎重に投げようとしたら、腕も伸びなくて、リングに届かないこともある。段々、腕がだるく、首も痛くなってきます。イライラしてきて余計入らない。

それでも、1日○○本は打つと決めた本数を入るまで続ける。今日も、明日も、明後日も。時には、昨日の方がよく入っていたと思う日もある。なんでこんなに下手なんだと自分を責める。他の人はどんどん上手くなっていくように見える。

それでも決めた本数を辛抱して毎日続けていく。

ある日、最初から気持ちよく入る。二本目も、その次も。一度外したけど、また連続で入る。そうなんです。上手くなる時というのは、徐々に徐々に、だんだん上手くなるんじゃないのです。ある日突然、ポッと上手くなる。ポッと今まで出来なかったことが出来るようになるのです。練習しても練習しても上手くならない時期がありますが、それは決して無駄なことじゃなく、必要なものなのです。少しずつ体の中に溜まっているのです。

この話をクラスでした時、私のバイクによじ登るネコ対策の、水をいれるペットボトルを持っていました。テープに字が書いているので、溜まっていく様子が見えません。しかし続けると、見えないけど溜まっているのです。必ず、ポッと溢れる時がくるのです。そんな話をしました。

そうなんです。急なのです。成果が表れるのは。だから続けることが大切なのです。
これを、「やり切り力」と呼んでいます。
いろんな事に当てはまります。
このポッと上手くいく「感覚」を、少しでも早く、1人でも多くの生徒に体感して欲しいと思っています。