高校1年生が最終発表会を行いました。

12月14日、本日高校1年生SGH研究プログラム「地域課題」のうち「地域防災」と「産業課題」の班が最終プレゼンをおこないました。

「地域防災」が和歌山市役所の方から与えられた研究テーマは「信愛防災宣言」を考えるというものでした。これは、宮城県仙台市宮城野区岩切地区の女性たちが東日本大震災から丸4年の節目に、「防災意識を高め、自分の役割を考え、それを実行する」という考え方を分かち合うために企画した「岩切・女性たちの防災宣言2015」を参考に、信愛生が地域のために自分たちにできることを考えて、それを実行するための宣言を考えるという研究です。

地域防災を担当した生徒たちは夏休みを使って「学校の製靴で歩ける距離を実際に測定する」「ペットボトルのろ過装置を作ってみる」「缶詰の値段とカロリーから腹持ちのよさを考える」など、自分たちにできることを考え、実際にやってみて、得られた知識をもとに「信愛防災宣言」を考えました。どのような角度からもアプローチできるテーマだったので、班の中で方針をまとめるのはなかなか難しかったと思いますが、その分どの班もよく研究されていることがわかる見ごたえのあるプレゼンでした。

PDF防災宣言

来賓としてお越しくださった、和歌山市役所の田尻さんも、NHK和歌山放送局局長の仲山さんも、実際に災害が起こったときに復興・支援の中心として動くことになるのは若い人たちなので、高校生のうちから防災意識を高め、行動できる準備をしておくことはとても大切であると評価してくださいました。

次に、「産業課題」がみなべ町役場の方から与えられた研究テーマは「梅農家の後継者不足を解消する」というものでした。夏のフィールドワークでみなべ町の梅の里山を訪れ、実際に梅農家の方から聞いたお話や、役場の方から教えていただいたことをもとに、後継者不足解消に向けて研究を続けてきました。今日の発表では多くの班が「梅の優れた効能を国内外の人に知ってもらい、梅の消費量と認知度を上げることで、梅農家になりたいと考える人を増やす」という部分がベースとなっていましたが、その消費量を認知度を上げるための方法は「2020年の東京オリンピック・パラリンピックとコラボして国内外の知名度をあげる」や「梅の合宿所を作って梅と梅農家の魅力を知ってもらう」など様々あり、中には梅をテーマとするレストランを作るためにメニューを考えてそれを実際に作った班もありました。どの班もオリジナリティがありこちらも見ごたえのある発表でした。

来賓としてお越しくださったみなべ町役場うめ課の中早さんは、みなべ町では当たり前のことが地域の外に出ると認知されていないという現実があり、まずは信愛生が梅農家の方々が抱える問題について知り、考えることでその意識がさらに他地域に住む人々にも伝わっていくことを期待すると評価してくださいました。

この研究活動を通じてお世話になった皆様、本当にありがとうございました。16日土曜日には「地域医療」「地域経済」の最終プレゼンがあります。今日の発表を見て、いい意味でプレッシャーがかかったのではないかと思います。こちらも充実した内容となるよう、期待しています。